ポンジスキームは、詐欺師達が初心者を騙しやすいように巧妙に作られています。
手口や相談先を知らなければ、言葉巧みに騙されたり、泣き寝入りしたりする可能性が高いです。
被害を回避するためにも、見分け方や相談先を確認しておきましょう。
この記事では、ポンジスキームの見分け方や被害にあってしまった際の相談先について解説します。
既にポンジスキームの被害に遭ってしまった方は、「ポンジスキームの見分け方を知る前に被害に遭ってしまった方へ」を参考にしてください。
ポンジスキームとは
ポンジスキームとは、1910〜1920年代アメリカに実在したチャールズ・ポンジという詐欺師の名前が由来となった詐欺手口です。
集めた出資金を投資に見せかけ、実際は運用せずに集めたお金の一部を配当として渡します。
一般的な金融商品よりも高額配当を謳っており、新規顧客を獲得するために複雑な構造に見せかけ、投資初心者を騙そうとします。
ある程度出資金が集まると犯人は逃亡するため、参加者のほとんどが損失を抱えてしまう非常に悪質な手口です。
また、被害者が新しい出資者を紹介すると報酬が発生する仕組みを導入しているケースも存在します。
紹介報酬が発生するポンジスキームは、主婦層やサラリーマンだけでなく、学生や未成年も被害に遭っています。
知り合ったばかりの人や昔の友人から投資話を聞いた際は、基本的にポンジスキームの勧誘と考え対応しましょう。
ポンジスキームの見分け方5選
ポンジスキームを見分ける基準は、以下の5つです。
- 投資スキームを確認する
- 会社の所在地を確認する
- 元本保証があるか確認する
- 金融庁の登録有無を確認する
- 高利回りを謳っているか確認する
見分け方を知っておくと、ポンジスキームに騙されるリスクが激減します。
投資スキームを確認する
ポンジスキームを見分ける基準として、投資スキームを確認する方法が挙げられます。
例えば、2021年11月に逮捕者が出た「ジュビリーエース」という投資詐欺は、アービトラージと呼ばれる仕組みを利用して稼げると謳っていました。
しかし、実際アービトラージはお金を集めても収益が増える投資方法ではないため、会社が資金を持ち逃げして出資者はほとんど損する結果となりました。
投資家目線では詐欺と判断できますが、経験のない方が見ると画期的なシステムに思えてしまい、簡単に騙されてしまいます。
詐欺師は、複雑な投資スキームを構築して初心者を騙そうと考えているため、内容が理解できる金融商品のみ出資しましょう。
会社の所在地を確認する
会社の所在地を確認することも、ポンジスキームを見分ける上で重要な方法です。
ポンジスキームを行なっている会社は、以下3つの理由から海外法人の場合が多いです。
- 裁判や警察の捜査が難しい
- 出資者から簡単に逃走できる
- 心理的に出資者を安心させやすい
特に、詐欺師目線では出資者から簡単に逃走できるメリットが大きく、日本に比べて逮捕のリスクが激減します。
実際に過去逮捕者が出たポンジスキーム事件は、基本的に大元の会社が捕まるのではなく、出資を呼びかけていた営業マンが逮捕されています。
会社の所在地が海外の投資案件は、基本的にポンジスキームと考え、決して投資しないようにしましょう。
元本保証があるか確認する
金融商品は、基本的に価格変動のリスクを伴うため、元本保証を謳っている案件はポンジスキームです。
元本保証を謳うポンジスキームは、基本的にセミナーやZOOMといった、大人数を相手に説明する場を設けて勧誘しています。
仮に、本当に元本保証が約束されている金融商品であれば、必死にセミナーやZOOMを開催して勧誘する必要はありません。
知り合ったばかりの人や、昔の友人にセミナーに誘われた際は、ポンジスキームの可能性を疑いましょう。
金融庁の登録有無を確認する
ポンジスキームの案件は、金融庁の登録を受けずに運営されているため、確認すれば見分けることが可能です。
人からお金を預かって運用する場合、金融商品取引業のライセンスを取得する必要があります。
金融商品取引業取得の有無は、金融庁サイトで検索すれば確認できるため、投資する前に必ずチェックしましょう。
高利回りを謳っているか確認する
ポンジスキームの金融商品は、高利回りを謳って初心者を騙そうとしているケースが多いです。
例えば、2021年11月に逮捕者が出たジュビリーエースは、月利10%以上出るとセミナーで謳っていました。
プロのトレーダーが資金管理をしている投資信託でさえ、年5%ほどの利回りです。
また、世界三大投資家といわれているウォーレンバフェットでも平均年間利回りは20%ほどです。
月利◯%と謳われている金融商品は、基本的にポンジスキームだと思いましょう。
ポンジスキームの見分け方を知る前に被害に遭ってしまった方へ
ポンジスキームの見分け方を知る前に被害に遭ってしまった方は、以下3つの相談先に連絡しましょう。
- 警察に相談する
- 適格消費者団体に相談する
- 弁護士に相談する
被害に遭ってしまったからといって諦めるのではなく、冷静に対処しましょう。
警察に相談する
ポンジスキームの被害に遭った際は、まずは警察に相談して被害届を受理してもらいましょう。
被害届を受理してもらうコツは、詐欺師とやり取りした証拠やアカウントを一緒に提出することです。
被害届が受理されなければ、警察は捜査を進められないため、犯人を特定できません。
ただし、犯人を逮捕したとしても、警察は法律業務である返金請求を行えません。
犯人の逮捕だけでなく、返金請求を行なって被害を完全に回復したい方は、弁護士に相談することをおすすめします。
適格消費者団体に相談する
ポンジスキーム詐欺の被害に遭った方は、適格消費者団体への相談もおすすめです。
適格消費者団体とは、消費者の代表として権利を守り、消費者の権利が侵害された際に回復を目指す団体のことです。
詐欺師に対して業務を停止させる「差止請求」を行えるため、法的に犯罪を抑制できます。
また、適格消費者団体のうち「特定適格消費者団体」は、消費者に代わって集団起訴を起こせます。
ただし、集団起訴を起こす際はさまざまな制約が設けられているため、返金を目指している方は弁護士への相談がおすすめです。
適格消費者団体に相談したい方は、「消費者庁」から全国の適格消費者団体一覧を確認できるため、確認してみましょう。
弁護士に相談する
ポンジスキームの被害に遭われた方は、弁護士に解決してもらう方法が最もおすすめです。
弁護士は、情報開示請求や返金請求などの法律業務ができるため、犯人の特定と返金をまとめて行えます。
以下の項目に1つでも当てはまる方は、弁護士に相談してみましょう。
- 詐欺師を法的に罰して欲しい
- 多少コストがかかってもお金を取り返したい
- 騙し取られたお金が返金される可能性を高めたい
全国各地に無料相談を行なっている弁護士事務所がありますが、中でもITに強い弁護士がおすすめです。
ITに強い弁護士であれば、SNS上のやり取りのみで成立した犯罪や、仮想通貨が絡むポンジスキームも解決できます。
ポンジスキームは見分け方を知れば回避できる
今回は、ポンジスキームの見分け方や相談先について詳しく解説しました。
ポンジスキームは、見分け方を知っておけば事前に回避できる詐欺なので、必ず覚えておきましょう。
知り合ったばかりの人や昔の友達にセミナーに誘われた際は、ポンジスキームの可能性を疑い、断ることをおすすめします。
金銭的な被害に遭ってしまい、詐欺師への返金請求や捜査を希望している方は、以下の法律事務所に早めの相談をおすすめします。