海外FX詐欺は、さまざまな手口を利用して巧妙にお金を騙し取ろうとしてきます。
詐欺師の手口を把握していないと、恋愛感情を利用して騙されたり、高額な商材を購入させられたりする危険性があります。
この記事では、海外FX詐欺業者に騙されないために、海外FX詐欺5つの手口や被害に遭った際の対処法について解説します。
さらに、詐欺に遭った際の相談窓口も紹介するので、お金を騙し取られて困っている方もぜひ参考にしてください。
海外FX詐欺5つの手口
海外FX詐欺は、主に以下5つの手口を使用して騙そうとしてきます。
- 恋愛詐欺
- 海外FX業者による約定拒否
- 自動売買ツールや商材の勧誘
- 取引代行業者を謳うポンジスキーム
- 海外FXの詐欺業者で偽の口座を開設
それぞれ解説していきます。
恋愛詐欺
恋愛詐欺は、マッチングアプリやSNS上で異性に出会い、恋愛感情を利用してFXへの出資を求める手口です。
かつて横行していた恋愛詐欺は、「リストラされて生活費が足りない」といった同情を誘う手口が一般的でした。
しかし、近年の恋愛詐欺は「あなたと将来結婚するための資金にしたい!」など、恋愛感情を利用して言葉巧みに出資を募ろうとします。
被害者は相手を信用しているため、借金が増えてから被害に気づくケースが多く、警察への相談が遅れる事件も増えています。
マッチングアプリやSNS上で出会った異性からFXの話を聞いた際は、恋愛詐欺の可能性があると考えましょう。
海外FX業者による約定拒否
約定拒否とは、投資家がFXのトレードで注文を出しても無視し、約定させない行為のことです。
有名な海外FX業者を利用している場合でも、約定拒否の被害に遭う可能性があります。
海外FXを利用している方で、以下のような状態になっている場合は、業者から約定拒否を受けている可能性が高いです。
- 注文ボタンを押しても反応しない
- 発注から時間が経っても約定拒否される
- 表示されている価格とは別の値段で約定される
このような手口を使うFX業者は、ディーリングデスクを設置し、トレーダーと直接取引する仕組みを採用しています。
ディーリングデスク方式は、トレーダーが利益を出すほどFX業者が損するため、約定拒否を受けるリスクが高まります。
一方、ノーリーディング方式は業者を介さず約定が成立するため、約定拒否を受けるリスクがほとんどありません。
海外FX業者による約定拒否を防ぐには、ノーディーリングデスク方式を採用しているサービスを選ぶ必要があるでしょう。
自動売買ツールや商材の勧誘
自動売買ツールや商材の勧誘は、SNS上で「寝ているだけで月30万円!」など、誇大広告で投資家を募る手口です。
上記のような投稿をしているSNSアカウントは、優雅な生活を送っているアピールを行い、本当に稼いでいると信じ込ませます。
しかし、実際はネット上の画像を加工して投稿しているケースが多く、商材を購入しても多額の被害に見舞われてしまいます。
また、ほとんどの業者が購入後のクーリングオフや返金に応じないため、泣き寝入りする被害者も多いです。
自動売買ツールや商材勧誘の被害に遭った方は、「海外FX詐欺の被害に遭った際の対処法」を参考にしてください。
取引代行業者を謳うポンジスキーム
取引代行業者を謳うポンジスキームは、FXを取引するための資金として出資金を募り、そのまま持ち逃げする詐欺手口です。
ポンジスキームには、以下2つのパターンが存在します。
- 一定期間支払いを続けて被害者を安心させる
- 1円も支払わずに行方をくらませる
被害者を安心させるケースの場合、実際は運用せずに出資金から支払っているため、出資金以上にお金が増えることはありません。
取引代行業者を謳う投資家は、元本保証や確実に儲かるなど、言葉巧みに運用を任せるように迫ってきます。
しかし、本当にFXで利益を出せる投資家はわざわざ他人の資産を運用しません。取引代行業者を謳う投資家は、基本的にポンジスキームと考え、絶対に話に乗らないようにしましょう。
海外FXの詐欺業者で偽の口座を開設
正規の海外FX業者を名乗り、偽装されたホームページで口座開設させる手口も存在します。
海外FX詐欺業者は、詐欺が発覚する前に証拠をすべて隠滅し、社名を変えて活動を行う特徴があります。口座を開設したサイトも消えてしまうため、偽の口座に資金を入金してしまった場合、お金が戻ってくる可能性は極めて低いです。
偽の海外FX業者に騙されないためには、以下表で解説する見抜き方を知る必要があります。
ポイント | 見抜き方 |
URLを確認する |
|
GoogleでFX会社名を検索する | 社名を検索してGoogleに表示されない場合、詐欺業者の可能性が高いです。 |
仮に、偽の海外FX口座にお金を入金してしまった場合、「警視庁サイバー犯罪相談窓口」に通報しましょう。
海外FX詐欺の被害に遭った際の対処法
海外FX詐欺の被害に遭った際の対処法は、以下3つです。
- 警察に相談する
- 適格消費者団体に相談する
- 弁護士に解決してもらう
それぞれ解説していきます。
警察に相談する
海外FX業者の詐欺被害に遭った場合、まずは警察に被害届を提出しましょう。
被害届を提出すると、警察が捜査を開始してくれるため、ほかの対処法と同時並行で進められます。
ただし、被害届を出す際は詐欺師の身元・騙された証拠を提出しないと、捜査を進めてくれない可能性が高いです。
また、警察は民事不介入のため、詐欺師を捕まえても返金請求ができないなどのデメリットがあります。
詐欺師から騙されたお金を取り返す際は、弁護士に相談することをおすすめします。
適格消費者団体に相談する
適格消費者団体は、消費者保護を目的とする公的機関です。悪質な手口を利用した契約や誇大広告を行う業者に対し、活動を止めさせる「差止請求」を行う権限を持っています。
また、適格消費者団体のうち「特定適格者消費者団体」は、消費者に代わって集団起訴を起こして損害を取り戻すことも可能です。
ただし、集団起訴を起こす際は多数の被害者がいるなどの制約が設けられているため、返金を目指すなら弁護士がおすすめです。
詐欺被害に遭われた方は、「消費者庁」から全国の適格消費者団体一覧を確認できるため、1度相談してみてはいかがでしょうか。
弁護士に解決してもらう
海外FX詐欺の被害に遭われた方は、弁護士に解決してもらう方法が最もおすすめです。
警察や適格消費者団体の利用に比べてお金がかかりますが、弁護士は法律業務を行えるため、詐欺師に返金請求を行えます。
以下の項目に1つでも当てはまる方は、弁護士に相談してみましょう。
- 多少コストがかかってもお金を取り返したい
- 詐欺を立証するだけでなくお金も取り返したい
- 騙されたお金が返金される可能性を少しでも高めたい
弁護士に相談する際は、無料相談が可能な法律事務所に連絡し、返金請求が可能かどうかの確認が重要です。
無料相談で返金請求を行えそうと言われた方は、詐欺師に証拠を隠滅されてしまう前に、調査費用をかけて弁護士に依頼しましょう。
まとめ
今回は、海外FX詐欺5つの手口や被害に遭った際の対処法について解説しました。
海外FX詐欺は、さまざまな手口を利用して巧妙にお金を騙し取ろうとするため、常に警戒する必要があります。特に、恋愛詐欺は近年の出会い系アプリの流行によって増加傾向にあるため、異性からFXの話を聞いた際は注意しましょう。
また、有名な海外FX業者の場合でも約定拒否を行われるリスクがあるため、クリーンな業者でも油断すると危険です。
なお、詐欺に遭ってしまった場合には、以下の法律事務所に早めの相談をおすすめします。