「詐欺」という犯罪は、流行りの手口が移りかわることはあれ、なくなることは決してありません。
とりわけ、近年の詐欺はその手口が複雑・巧妙化しており、気をつけていても一瞬の不注意で引っかかってしまったり、自分だけは騙されないと思っている人が被害に遭うなどのケースが多くみられます。
そこで今回は、最新の詐欺被害の傾向を解説するとともに、詐欺の最新手口を紹介していきます。そして万が一詐欺被害に遭った時のおすすめの相談先についても解説します。
増え続ける詐欺…最新の被害傾向は?
世の中には多種多様な詐欺の手口が存在します。
しかし一昔前の詐欺の手口はマスコミや警察、国民生活センターなどの啓発活動などによって知識も対策も世の中に浸透しているため、最近ではあまり使われません。
その一方で近年、被害者が詐欺とすら気づかないような手口も横行しています。その中でも、特に増えているのは詐欺グループの拠点が海外である事案です。
加えて、昨今の国内の厳しい経済状況を反映してか、国内の詐欺事案も多くなってきています。
【2022年7月更新】詐欺の最新手口一覧
ここでは、2022年7月の本稿執筆時点における最新の詐欺手口について一覧で紹介していきます。
ただし詐欺の手口は日々変化・進化していくものであることは、忘れないようにしましょう。派生した詐欺が出てくる可能性も十分にあります。
※当サイトでは、最新の詐欺手口を常時収集しております。新しい情報が入り次第、当ページへ追記しています。
国際恋愛詐欺
国際恋愛詐欺は、外国人に憧れを持ちやすい国民性につけこんだ詐欺の手口であり、1990年代と古く有名なものになると、大規模国際恋愛詐欺事件「クヒオ大佐事件」などがあります。
金の無心型(恋愛型)
シンプルに金を無心するタイプの類型です。
あなたに逢いたい、一緒に暮らしたい、けれど来日する費用がないから出して欲しい、というストーリーで金を無心する「来日費用型」や、親族が重病を患ってしまった、仕事で負債を抱えてしまったなどと言って金を無心する「親族治療費型」があります。
どちらも古い手口ですが、まだまだ現役です。
投資詐欺型
国際恋愛詐欺としては、「投資詐欺型」が最新の手口です。
「投資詐欺型」も大きく、海外のFX取引のサイトへと誘導する「海外FXタイプ」と、様々な仮想通貨の取引所サイトへと誘導する「暗号資産(仮想通貨)タイプ」に分かれます。どちらも耳慣れない専門用語で被害者を煙に巻きます。
マッチング詐欺はどうすべき?
マッチング詐欺は騙されてることに気づきにくい詐欺なんです。
- 投資話を異性に持ちかけられている
- 仮想通貨・FXなどの投資話をDMなどで話された
- 身の上話をされ現金振込が求められている
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結婚詐欺
結婚詐欺は、詐欺としてはかなり伝統的な部類です。
結婚が目前であると意識させるほど仲が良くなった段階で、多額の金銭を騙し取る仕掛けをしてくるパターンがほとんどです。
事業失敗型
多く見られるのが、事業の失敗による借金の返済の肩代わりを頼み込む「事業失敗型」です。借金の返済だと後ろ向きすぎる印象を与えるからか、この亜種として、好転する事業への資金提供を頼み込んでくるケースもあります。
事故・病気型
事故や病気の治療費として多額の金銭の肩代わりをお願いしてくる「事故・病気型」も、伝統的な手口ですがよく見られます。
事故にあったり病気にかかるのは、本人だけでなく、家族、親類など様々です。
結婚式費用型
「二人の結婚式を豪華なものにしよう、門出を華やかに祝おう」といった文句で仕掛けてくるのが、「結婚式費用型」です。
両親や親族、職場の人間への体面を気にするタイプ(もしくは慣習として結婚式が豪華になる傾向の土地柄の出身)の人物がよく狙われる手口です。
詐欺被害の解決は誰に頼む?
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投資詐欺
投資詐欺は、投資する内容にいくつかのパターンがあるものの、「あなただけに特別に儲かる情報を教えます」という誘いの構造は共通しています。
投資の初心者のみならず、ときにベテランの投資家でさえも被害に遭う手口です。
未公開株型
企業内部からのリークなどをよそおって、その株式が上場されれば必ず高い株価になることをちらつかせて、未公開株の購入を持ちかけてきます。
最近では、第三者をよそおった投資家や業者がその未公開株をすすめてくるなど、バンドワゴン効果を活用した手口も出てきており、この場合はいわゆる「プロ」でさえ騙されるケースもあります。
外国通貨型
海外の通貨(法定通貨)の価値が上昇するという触れ込みで外国通貨を買わせる手口です。
最初は少額分買い取らせておいて、その後次々と買い取り量を増加させ、気づいたら100万円単位での被害に合うケースもよく見られます。
未登録業者からの勧誘型
正規の金融商品取引業者は金融庁に登録が必要ですが、それを逆手にとって未登録業者から勧誘を仕掛けてくるケースがあります。
未登録業者であるがゆえに、正規の業者が扱わないような儲かる投資先を知っている、特殊なノウハウがあるといった触れ込みが使われます。
ギャンブル詐欺
ギャンブル詐欺には、そのギャンブルの種類だけ詐欺の手口が存在しているといえます。
競馬詐欺、競艇詐欺、競輪詐欺、オートレース詐欺といった公営ギャンブルを対象としたものから、パチンコ・スロット詐欺、さらには宝くじ詐欺などもあります。
ネットの普及がこの手口の横行を助長しています。
必勝法詐欺
パチンコ・スロット詐欺でよく見られる手口です。
「あなただけにこのギャンブルの必勝法を教えます」などとうたいつつ、その情報料という名目で多額の金銭を騙し取る手口です。
八百長情報詐欺
競馬や競艇などの公営ギャンブルを対象とした詐欺でよく使われる手口です。
競馬ならば厩舎や調教師といった関係者をかたり、レースについての内部情報、特に八百長が行われるといった 嘘の情報を用いて、金銭を騙し取ります。
最近では、ネット上での予想サイトがこの詐欺の入り口になるケースがよく見られます。
当選番号詐欺
宝くじ詐欺でよく使われる手口です。
宝くじの当選番号が実はあらかじめ決まっていて、一部の富裕層や権力者はそれを利用して巨額の資金を得ている、といったストーリーを信じこませ、その当選番号をあなただけに教えるという触れ込みで、金銭を騙し取ります。
出てきた当時は抽選と当選発表にごく僅かなタイムラグがあったため、これを悪用して
詐欺師側が抽選会場で正規の当選番号をキャッチする
新聞等で発表される前にターゲットへ正規の当選番号を伝え「明日の新聞を見てみるように」と持ちかける
ターゲットが翌朝の新聞で「詐欺師側が持ってきた番号が本物であること」を確認する
信じ込んで詐欺にかかる
という流れが一般的でした。
陰謀論を信じ込むタイプの人間が引っかかりやすい手口と言えます。
架空請求詐欺
未払い代金など、身に覚えのない架空の請求によって金銭を騙し取る手口です。
その請求手段は、電子メールやSMSといったオンライン上のものから、はがきなどといった伝統的でアナログなものまで、多岐にわたります。
架空料金請求詐欺
ひと昔前のネットでは、違法なアダルトサイトにアクセスすると、脅迫的な文言とともに多額な架空の料金請求を表示し誘導するケースがよく見られましたが、最近ではSMSが主流です。
大手通信会社やカード会社に似た名前をかたり、携帯電話料金やカード支払いの滞納といった名目で架空請求をおこなうケースなどがよく見られます。
通販悪用型架空請求
架空請求ではAmazonやヨドバシカメラなどの大手通販サイトの名前がかたられるケースも多く見られます。
商品の代金未払いをかたるだけでなく、サブスクの料金の未払いを名目に架空請求する場合もあります。
はがき悪用型架空請求
手紙やはがきで架空請求を仕掛けてくる手口も、伝統的ながら健在です。特にネットを使わない高齢者などがターゲットになりがちです。
企業名だけでなく、裁判所や法律事務所をかたるケースもよくみられます。公的な書類らしく見せて被害者を不安がらせ、その隙をつく手口です。
情報商材・副業詐欺
情報商材・副業詐欺にもいくつかパターンがありますが、共通していることは、提供物を利用すれば、利用者の力量次第でその提供物の金額以上の利益を得ることができることをうたい文句にしている点です。
また最近では、プレゼント詐欺と呼ばれる手口も現れています。
これはSNSで「お金配り」を行うなどといってユーザーの耳目・申込情報を手に入れ、これらの個人情報を悪用または転売する手口です。
高額教材・スクール詐欺
商売のノウハウや、手に職系の技術などを教える名目で、オンラインサロンや実際の講習会やスクールに人を集め、の教材を使えば自分と同じように人を集めて利益を得ることができるなどとうたい、高額な教材を売りつける手口の詐欺です。
またその講習会やスクールの受講料自体が、不当に高額なケースも見られます。
内職詐欺
在宅ワーク詐欺とも呼ばれるこの詐欺は、在宅での高単価な作業求人で人を集めておき、その仕事をするためのツールや教材などを初期費用と称して、高額で売りつける手口です。
「その仕事をするために必要な専用のアプリケーションがインストールされたパソコン」などと称して、ガラクタ同然の旧型のパソコンを売りつけるケースも見られます。
プレゼント詐欺
富裕層や成功した起業家をかたり、SNSや動画サイト上で、お金や物品(入手が難しい人気のゲーム機やスマホなど)を配ることを撒き餌にして人を集め、個人情報や金銭を騙し取る手口です。
フィッシング詐欺
送信者を詐称した電子メールを送りつけて、偽のWebサイトに誘導するなどして、クレジットカードをはじめとする個人情報を不正に引き出す手口です。
前述の架空請求詐欺とワンセットで仕掛けるケースも多く見られます。
宅配業者型
宅配業者をよそおって、偽の不在通知をSMSで送りつけ、宅配業者風の偽のWebサイトに誘導し、IDやパスワード、さらにはクレジットカードの情報を入力させる手口がよく見られます。
また最近では、「荷物追跡アプリのインストール」を促し、スマートフォンを乗っ取る不正なアプリをインストールさせる手口も報告されています。特にアンドロイドOS端末のユーザーがターゲットになります。
通販業者型
通販業者型とは、通販業者をよそおって、商品の料金やサブスクなどの定額サービスの未払いがあるという偽の情報をSMSで送りつけ、通販業者風の偽のWebサイトに誘導し、IDやパスワード、さらにはクレジットカードの情報を入力させる手口です。
【番外編】急増するスミッシング詐欺にも注意
以前は銀行やカード会社などをかたる「電子メール」を送りつける手口がフィッシング詐欺の主流でしたが、スマホの普及および電子メール利用の減少にともない、上述のようにSMSを利用した手口である「スミッシング詐欺」が主流になりつつあります。
不動産投資詐欺
投資対象となるものは詐欺に使われやすいものですが、不動産はその最たるものです。
不動産投資詐欺と一口にいっても多種多様な手口があり、時代の趨勢によりそれは変化していくものですが、ここでは最近注目される3つのタイプを紹介します。
原野商法型
原野商法とは、無価値に近い山林原野について、被害者に土地の価格が将来的に高いものであると思い込ませ、実際よりも異常に高い価格で売りつける商法です。
この手口は、バブル前夜の1970年代後半に一度大きな流行を迎えましたが、近年再び脚光を集めています。
住宅ローン悪用型
特に、長期固定金利の住宅ローン「フラット35」を悪用した詐欺の手口が多くみられます。
本来「フラット35」は、賃料収入を得る目的での住宅購入には使えません。しかし悪質な不動産ブローカーなどが、そこでの賃料収入を誘い文句に、相場とかけ離れた高値で、ローンを組ませてマンションを売りつけるのです。
不当手数料徴収型
不動産の売却時に不動産会社に支払う仲介手数料は、宅建業法により上限が定められています。
しかし、測量費など仲介手数料の規制がかからない対象を名目に、不当に高額な手数料を徴収する詐欺の手口があります。
融資保証金詐欺
融資をよそおいつつ、様々な名目で金銭の支払いを要求し、金銭を騙し取った上で融資不可を一方的に通告し、その後連絡が取れなくなるというのがこの詐欺の一般的な手口です。別名「貸します詐欺」とも言われています。
この詐欺は以下のタイプに分類されます。
保証料先払い型
信用度を確認する名目で金銭の振り込みを要求したり、信用を担保するための保証会社への金銭の振り込みを指示する手口です。
この時、「支払え」と伝えると警戒されるので「金銭を一時的に預けろ」といった言い方で、ターゲットを安心・油断させるケースもよくみられます。
紹介料詐取型
一度融資を断った上で、関連他社への紹介をかたりつつ、詐欺師とは無関係の通常の貸金業者へ案内し、そこで融資された金銭の一部を紹介手数料として騙し取る手口です。
口利き型
金融庁や信用情報機関の名前を挙げ、「自分たちはそこの出身であり、特別に口をきいて信用情報のデータを修正することができる」と持ちかけ、その口利き料を要求する手口です。
多重債務を抱えているなどの理由で、通常の金融機関では融資が受けられない人がターゲットになりやすいと言えます。
金融商品詐欺
未公開株や有価証券、外国通貨などの金融商品にまつわる詐欺には、前述の「投資詐欺」の項で述べたような手口だけではありません。
名義貸し型
証券会社社員などをよそおった犯人から、「地域限定の(あるいは特定の会社の)金融商品を購入したいがこちらでは購入できない、購入のために名義を貸して欲しい」などと持ちかけてきます。
そして、名義を貸すことを承諾すると、その購入手数料などを要求してきます。
名義貸しに対するペナルティ型
上述の名義貸し型に引っかかると、今度は弁護士をよそおった犯人から「名義貸しはインサイダー取引に抵触する犯罪である」などと脅され、問題解決のための手数料を要求される、という手口です。
名義貸しを持ちかけられた時点で詐欺と判断しましょう。
代理購入型
まず、犯人の一味が業者Aをよそおって、犯人の別の一味が偽装する業者Bが扱う金融商品に高い価値があることや、その金融商品を自分たちの代わりに購入してくれたらあとで高値で買い取ることなどを、さかんに被害者へ訴えかけます。
さらに別の一味が業者C(あるいは公的機関)を装い、その金融商品や業者Bの信頼性を訴えてくるケースもあります。
詐欺被害に遭ってしまった場合は?
万が一詐欺被害にあってしまった場合には、まず調査会社への依頼をおすすめします。
もちろん、弁護士事務所に直接相談を持ち込むのも一つの手です。しかし、詐欺の手口が複雑・巧妙化しており、弁護士へ説明するだけでも、そういったことに慣れていない一般の人にはハードルが高いと思われます。
その点、調査会社ならば、詐欺被害の状況を丁寧にヒアリングしながら、弁護士や警察への相談に向けた資料づくりや、被害状況の把握をアシストしてもらえます。
まとめ
今回は、最新の詐欺被害の傾向を簡単に述べ、詐欺の最新手口を紹介してきました。
繰り返しになりますが、これはあくまで現時点(2022年7月)での手口です。これまでと同様、対策がたてられたり時代が変われば、横行する詐欺の手口も変化します。
常に、少しでも怪しいと思ったら詐欺の可能性を疑うように心がけましょう。
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