ECMarketsの出金トラブルと詐欺の疑いを徹底調査

海外のFX取引サイト「ECMarkets」で出金できないなどのトラブルが報告されています。金融庁から無登録業者として警告も受けており、詐欺の可能性が指摘される業者です。本記事では、ECMarketsの概要や評判、被害者の声、そして詐欺の疑いがある理由をどこよりも詳しく調査しました。被害に遭った場合の対処法や相談先についても解説します。

ECMarketsとは何者か?概要と金融ライセンス

ECMarkets(エクマーケッツ)はインターネット上で店頭FX取引の勧誘を行っていた海外FX業者です。運営会社は「Ec MARKETS Global LLC」と称し、公式サイトの所在地はセントビンセントおよびグレナディーン諸島となっています。しかし日本の金融庁には未登録であり、2022年10月28日付で「無登録で金融商品取引業を行っている」として警告が出されています。公式サイトのURLはecmarkets.sc(他にecmarkets.comecmarkets.co.ukという類似ドメインも存在)で、日本語・英語・中国語で表記されたページがあります。

表向き、ECMarketsは「グローバルにサービス展開するFXブローカー」を装っています。サイト上では最大レバレッジ500倍や平均2時間以内の出金処理など魅力的な条件を掲げ、イギリス(FCA)やセーシェル(FSA)など複数の金融ライセンスを取得していると主張しています。例えばセーシェル金融庁のライセンス番号SD009を保持と称し、他にもイギリスFCAやオーストラリアASIC、ニュージーランドFMAなど計6つもの規制当局の認可を得ているように記載しています。

しかし、これらのライセンス情報には疑わしい点が指摘されています。セーシェルFSAのライセンスSD009については、更新期限を過ぎ事実上無効との情報があり、イギリスFCAに関しても「2017年5月以降は規制下にない」と海外サイトで報じられています(FCAの登録番号571881は存在しますが、現在は撤退済みとの指摘)。つまりECMarketsが掲げる「多重の規制」は表面的なもので、実態としては規制の抜け穴で営業するオフショア業者とみられます。

金融庁からの警告と違法勧誘

日本の金融庁はECMarketsについて、「Ec MARKETS Global LLC」という法人が無登録で店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたとして公式に警告を発しています。警告文には、同社がインターネットを通じ日本居住者にFX取引を持ちかけていた事実が記載され、サービス名称が「Ec MARKETS」であることも明示されています。金融庁の警告後もサイトは閉鎖されず運営が継続されており、当局からの指示を無視して違法営業を続けている状態です。

また、この業者には中国系グループとの関与もうかがえると指摘されています。実際、ECMarketsのサイトや公式SNSには部分的に中国語が見られ、運営の背景に中国の詐欺グループが存在する可能性も指摘されています。開始から1年未満(※2023年時点)とサービス歴も浅く、Twitterフォロワーはわずか73人程度と利用者コミュニティの小ささも目立ちます。以上のことから、ECMarketsは信頼性に乏しく典型的な悪質業者との評価もあります。

ECMarketsの出金トラブルと評判

相次ぐ出金拒否・アカウント凍結の報告

ECMarkets最大の問題点は、利益が出ても出金に応じないという被害報告が多発していることです。ユーザーが出金申請を行っても「処理中」とされたまま何日も着金せず、問い合わせても「もうしばらくお待ちください」と引き延ばされるケースが頻発しています。さらに悪質な場合、出金を申請した途端に取引口座へのログインが不能(アカウント凍結)となり、サポートに連絡しても明確な回答が得られないといいます。実質的に口座資金を拘束され、引き出せない状態にされてしまうのです。

海外の暴露記事によれば、ECMarketsでは「出金申請をして承認メールを受け取ったが1週間経っても入金されない」「問い合わせても先延ばしにされ、最終的には口座を一方的に閉鎖された」といった被害が報告されています。あるユーザーは約1.4万ドル(約200万円)の出金を申請後、何日経っても着金せず、気づけばアカウントが削除され連絡も途絶えたと訴えています。別の報告では、「利益が出た途端に高レバレッジで強制ロスカット(証拠金ゼロカット)され、相場操作を疑っている」との声もあり、意図的にユーザーの利益を消し去るような不正が疑われます。

このように、ECMarketsでは「出金させない」ための様々な手口が報告されています。典型例として、出金申請後に「税金や手数料の支払い」を要求し、ユーザーがそれを支払ってもさらに別の理由で追加送金を求めるなど、いわゆる二重請求・追加入金詐欺のパターンも確認されています。海外の掲示板には「出金を依頼したら20%の税金を払えと言われ支払ったが、今度は本人確認のためと3万ドルを要求された。明らかにおかしい」といった告発も投稿されており、これは典型的な投資詐欺の手口です。

被害者の声:SNSや掲示板での口コミ

実際に被害に遭ったユーザーの声を、X(旧Twitter)や5ちゃんねる、Yahoo知恵袋からいくつか紹介します。

  • X上の声:「ECMarketsに出金を申請したのに1ヶ月以上未入金。サポートから連絡もなく、お手上げ状態です…。」(※SNS投稿)
  • 5ちゃんねるの書き込み:「ECMarketsに入れたお金が引き出せず困っています。担当者とも連絡が取れず、これは詐欺に遭ったのかもしれない。」(※掲示板の投稿)
  • Yahoo知恵袋の相談:「海外FXの出金について、11月に出金依頼したが一向に連絡がなく、『ポジションがある場合は出金できません』などと意味不明な言い訳をされています。年末年始を理由に出金を先延ばしされ、信用できないので全額出金して解約したいのですがどうすればいいでしょうか?」

これらの声からも、ECMarketsでは「出金拒否」や「口座凍結」が現実に起きており、ユーザーは資金を取り戻せず途方に暮れている様子がうかがえます。「ECマーケッツは投資家を欺します。顧客の引き出しを2ヶ月以上遅らせています…」といった痛烈な口コミもあり(海外FX口コミサイトより)、詐欺業者だと非難する評価が目立ちます。

ECMarketsの手口と類似業者に関する注意点

ECMarketsの勧誘手口には、昨今増えている恋愛詐欺型の投資勧誘が疑われます。実際、マッチングアプリやSNS上で知り合った外国人(美男美女)から「特別な投資情報」としてECMarketsを紹介され、入金してしまったケースが報告されています。「あなたにだけ教える」などと言われてECMarketsに誘導された場合、高い確率で詐欺と考えて間違いありません。このような手口では、親密になった相手に言われるがまま入金した途端に連絡が途絶え、投資サイトも閉鎖される(いわゆる「 pig butchering(豚の肥育)」詐欺)ことが多いです。

また、ECMarketsは名称がよく似た別サイトやクローンサイトの存在も確認されています。例えばGoogle検索では、「ecmarkets.co.uk」という同じロゴ・名称のサイトが見つかります。運営主体の関連は不明ですが、デザインが同一であることから同じグループによるサイトと推測されます。このようにサイトのドメインだけ変えて複数展開するのは、恋愛投資詐欺グループに典型的な手口です。一つのサイトで被害が広がり当局の目につくと、別ドメインに移って名前を変え活動を継続する狙いと考えられます。

実際、金融庁の警告リストにはECMarketsの他にも多数の無登録海外業者が掲載されています。類似例として「CJC Markets」「Outbank」などが過去に警告を受けており、それらも出金不能や誘い文句による被害が報告されています(※CJC Marketsは「出金できないなどの情報が寄せられている」と金融庁資料に記載)。名前やサイトは違っても、「高収益をうたい出金させない」という詐欺の構図は共通しています。海外業者だから必ずしも全て詐欺というわけではありませんが、無名で日本の許可なく営業している業者は極めてリスクが高いと言えます。

なお、名前が似ている正規の業者と混同しないよう注意も必要です。例えば「IC Markets(アイシー・マーケッツ)」はオーストラリアに本拠を置く有名な正規FXブローカーですが、ECMarkets(エクマーケッツ)とは一切無関係です。詐欺業者はあえて有名ブランドに似せた名称を使い、利用者に信用させようとする場合もあります。紛らわしい名前だからと言って安心せず、必ず公式の金融ライセンス登録状況や評判を確認するようにしましょう。

被害に遭った場合の対処法と相談先

もしECMarketsのような業者で被害に遭ってしまった場合、以下の手順で対処することを強くお勧めします。

  1. それ以上の送金を絶対に行わない:業者から追加の保証金や税金支払いを要求されても、応じてはいけません。これは典型的な詐欺の誘導で、支払っても出金できないどころか更なる要求が続くだけです。
  2. 証拠を保存する:取引明細、出金申請の記録、業者とのメールやチャットのやりとりなど、可能な限り証拠を集めましょう。画面のスクリーンショットやメール本文の保存などが有効です。
  3. 警察に被害届を提出する:所在地が海外業者の場合でも、迷わず最寄りの警察署に相談してください。サイバー犯罪担当部署や詐欺事件として対応してもらえる可能性があります。特に被害額が大きい場合は重要です。
  4. 消費生活センターや金融庁に相談する:各都道府県の消費生活センター(消費者ホットライン188)や、金融庁の相談窓口にも情報提供しましょう。類似被害の情報蓄積に役立ち、後々の行政対応につながる場合があります。
  5. 専門の弁護士に相談する:投資詐欺に強い弁護士事務所や司法書士に相談するのも有効です。法律の専門家であれば、海外業者相手でも返金請求の交渉や法的手続きを検討してくれます。無料相談を受け付けている事務所もありますので、泣き寝入りせず活用しましょう。

残念ながら、海外に拠点を置く無登録業者から全額を取り戻すのは簡単ではありません。しかし行動を起こすことで、被害拡大の防止や他の被害者救済につながる可能性があります。少しでも「おかしい」と感じたら早めに専門機関へ相談し、決して一人で抱え込まないでください。

ECMarketsのような悪質業者は手を替え品を替え登場します。うまい儲け話や甘い誘い文句には十分警戒し、資金の保全環境が整った信頼できる業者のみを利用するよう心がけましょう。大切な資金を守るためにも、自衛と早めの対処が肝心です。

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