近年、出会いを求める若者の影響で、急速にマッチングアプリの利用者が増加しています。
異性と気軽に出会える便利なサービスですが、利用者の増加につれて仮想通貨詐欺の被害に遭う方も増えています。
被害を未然に回避するには、手口や特徴を知り、メッセージを続ける相手を選ぶ必要があるでしょう。
この記事では、マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺の特徴や手口、実例について解説します。
既に仮想通貨詐欺の被害に遭ってしまった方は、「マッチングアプリで仮想通貨詐欺に合った場合の対処法」を参考にしてください。
急成長してきたマッチングアプリ市場
恋愛・結婚などの相手を探すマッチングアプリは、近年急速に市場規模を拡大してきました。
例えば、株式会社「Love Tech(ラブテック)ラボ」が他社と行った調査では、2021年度のオンライン恋活・婚活マッチングサービス市場が、前年から23%の増加で768億円に上るとしています。
若者も出会いを求めるようになった現代では、マッチングアプリの市場規模は今後も増える見通しです。
しかし、市場規模の拡大に伴って日本人をターゲットとした詐欺も増加しており、国民生活センターや警察などでは「恋愛詐欺」として注意喚起を行っています。
マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺の特徴
マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺の特徴は、以下4つです。
- プロフィール写真が華やか
- メッセージを始めてすぐに愛情表現する
- マッチングアプリ外のサービスに誘導する
- 仮想通貨で儲かるとアピールしてくる
特徴を知り、仮想通貨詐欺の被害を未然に防ぎましょう。
プロフィール写真が華やか
マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺師の特徴として、プロフィール写真にお金を持っていそうな華やかな画像を使用している点が挙げられます。
華やかな画像を使用すると、ターゲットに憧れや好奇心といった感情を植え付けやすくなるため、仮想通貨投資を進めやすくなります。
詐欺師は、高級車や大金を持っている画像をプロフィール写真に設定しているため、マッチングした際はメッセージを控えましょう。
また、詐欺師目線ではプロフィール写真を華やかにしておくと、異性から好かれやすいというメリットもあります。
マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺は、ターゲットの恋愛感情を利用する恋愛詐欺のケースが多いです。
メッセージを始めてすぐに愛情表現する
マッチングアプリにいる詐欺師は、メッセージを始めてすぐに愛情表現をしてきます。
詐欺師がマッチングアプリを使用するのは、多くの人にアプローチして騙す人数を増やすためです。
マッチしてすぐに「付き合いたい」「結婚したい」といった熱烈なアプローチをする相手は、仮想通貨詐欺を目的にしているケースが多いです。
マッチングアプリを使用する際は、メッセージを続けるかの判断基準を設け、危険を回避しましょう。
マッチングアプリ外のサービスに誘導する
マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺師は、LINEやInstgramといった、ほかのサービスに誘導してきます。
マッチングアプリは、利用者が詐欺被害に遭わないようにメッセージを監視しているサービスが多く、詐欺を働くアカウントはすぐに停止されます。
そのため、詐欺師はターゲットを監視の目が届かないほかのSNSに誘導し、騙そうと考えているのです。
マッチングアプリ外のサービスに誘導する人物は、運営に見られると都合が悪い話をする計画を立てているので、決して交換しないようにしましょう。
仮想通貨で必ず儲かるとアピールしてくる
マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺師は、「仮想通貨は必ず儲かるから投資した方がいいよ!」とアピールしてきます。
仮想通貨は、世の中に浸透している投資方法なので、多くの人が投資しています。
しかし、一般人は仮想通貨で必ず儲かるとはいわず、他人に執拗に勧めようとはしません。
必ず儲かると言い切る人は、ターゲットが投資で損失を出しても何も思わない詐欺師です。決して耳を傾けないようにしましょう。
マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺の手口
マッチングアプリで特に多い詐欺手口は、仮想通貨による投資詐欺です。
仮想通貨は少額から始められることや、ニュースで大金を儲けた人も報道されているため、ほかの投資に比べて詐欺を行いやすいです。
この項目では、マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺の手口を3つご紹介します。
- 仮想通貨への投資を勧められる
- 偽サイトに誘導して投資させられる
- 仮想通貨関連のツールやノウハウを勧められる
手口を理解し、未然に詐欺被害を防ぎましょう。
仮想通貨への投資を勧められる
「投資で稼いでいる」「儲かる仮想通貨を知っている」など、儲け話を話すのは仮想通貨詐欺の最初のステップです。
マッチングアプリは運営によるパトロールが行われており、投資話や外部サイトへの誘導といった、危険性を伴うメッセージは比較的早い段階で削除されます。
しかし、仮想通貨による詐欺では、マッチングアプリから外部サイトを通した連絡を求められます。
外部サイトは、マッチングアプリほどメッセージが監視されていないため、仮想通貨の投資を積極的に勧めてくるのです。
偽サイトに誘導して投資させられる
仮想通貨で近年急増している事例は、偽サイトに誘導して投資するパターンです。
詐欺を目的とした偽サイトは非常に巧妙で、一見すると有名な企業が作ったセキュリティ性の高いサイトにも見えます。
ターゲットに偽サイトを開設させ、入金した金額や手数料・口座解約料を騙し取る手口が増えています。
素人が偽サイトを判別するのは困難なので、知り合ったばかりの人から届いたURLは開かないようにしましょう。
仮想通貨関連のツールやノウハウを勧められる
仮想通貨の詐欺では、投資関連のツールを勧められるケースも多いです。
例えば「このツールを使えば確実に勝てる」といい、偽サイト用のツールをおすすめしてきます。
ツール単体であれば詐欺だと気づきやすいですが、素人がわからないように偽サイトと組み合わせているため、判別はほぼ不可能となっています。
偽サイトで利益が出ているように偽装し、ターゲットがより多くの利益を求めて追加投資を行いやすくする詐欺師の手口です。
仮想通貨への投資を検討している方は、人から勧められたサイトやツールを使用するのではなく、公式サイトから開設して自身で資産を管理しましょう。
マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺の実例
この項目では、Yahoo!ニュースで実際に掲載されていた、マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺の実例をご紹介します。
年代・性別を問わず、多くの方がマッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺の被害に遭っているので、知り合ったばかりの人には警戒心を持つようにしましょう。
50代男性が360万円相当の詐欺被害
2023年5月に山形県に住む50代男性が、マッチングアプリで出会った外国人女性から360万円相当の詐欺被害を受けた事件です。
被害者の方は、マッチングアプリで出会った外国人女性とSNSでやり取りするようになりました。
やり取りを続けていくうちに外国人女性から「投資に詳しい叔父の指導を受けて仮想通貨を学んでいる。叔父の情報は正確です」といった投資話を持ちかけられました。
男性は女性の話を信じ、10回にわたり指定されたアドレスに合わせて360万円相当の仮想通貨を送金してしまいます。
送金後、仮想通貨を現金化するために女性に連絡したところ、「引き出すためには保証金が必要です」と言われ被害が発覚しました。
仮に、男性が保証金を振り込んでいた場合、被害はさらに拡大していたでしょう。
40代男性が117万円相当の詐欺被害
2023年5月に山形県に住む40代男性が、マッチングアプリで知り合った日本人を名乗る人物から117万円相当の詐欺被害を受けた事件です。
被害者の方は、マッチングアプリで知り合った日本人女性を名乗る人物とSNSでやり取りするようになりました。
やり取りを続けていくうちに女性から「300万投資すれば500万円くらいの利益が得られる」「元本が少なすぎるので、もう少し追加できれば利益がずっと高くなる」などと言われました。
男性は女性の話を信じ、3回にわたり合わせて117万円を指定の銀行口座に振り込んでしまいます。
送金後、男性は女性に返金手続きを依頼したところ、「出金には税金が必要だから友達や消費者金融で借りて準備して」と言われ被害が発覚しました。
2つの事件に共通しているのは、マッチングアプリからSNSに誘導され、メッセージ上のやり取りのみで詐欺が完結している点です。
マッチングアプリで知り合った方から投資話を持ちかけられたとしても、決して出資しないようにしましょう。
50代女性が7,700万円相当の詐欺被害
2023年5月に岐阜県に住む50代女性が、マッチングアプリで知り合った相手から投資話を持ちかけられ、7,700万円相当の詐欺被害を受けた事件です。
被害者の方は、マッチングアプリで知り合った30代の男性から仮想通貨の共同運用を持ちかけられました。
共同運用を信じた女性は、1ヶ月間の間インターネットや金融機関の窓口で指定された銀行口座に27回にわたって送金してしまいます。
送金後、不審に思った女性は警察に相談し、事件が発覚しました。
女性は相手と直接会わずSNSのみでやり取りしていただけでなく、振込先の銀行口座や名義も複数あったため、捜査は難航しています。
マッチングアプリで仮想通貨詐欺に遭った場合の対処法
マッチングアプリで仮想通貨詐欺に合った場合の対処法は、以下3つです。
- 警察に相談する
- 何でも屋に相談する
- 弁護士に相談する
被害に遭ってしまった方は、対処法を知り、冷静に対応を進めていきましょう。
警察に相談する
マッチングアプリで仮想通貨詐欺の被害に遭ってしまった方は、まずは警察に相談しましょう。
警察に相談する際のポイントは、被害届を提出する際にメッセージのやり取りや相手の口座情報も一緒に提出することです。
証拠がなければ、被害届が受理されても警察は捜査を進められないため、事件解決に結びつかない可能性が高いです。
また、警察は民事不介入なので、詐欺師に対して返金請求を行えません。
捜査が進んで相手が逮捕されても返金されない可能性があるため、返金を望んでいる方は弁護士への相談がおすすめです。
何でも屋に相談する
犯人の証拠があまりにも少ないという方は、何でも屋に相談する方法も選択肢の1つです。
何でも屋は、調査や証拠集めといった業務を幅広く行ってくれるため、捜査に役立つ資料を作成できる可能性があります。
ただし、法律業務を行う資格は持っていないので、情報開示請求や返金請求は弁護士に任せる必要があります。
「低価格でプロの方と証拠を集めたい!」と考えている方は、何でも屋への相談がおすすめです。
弁護士に相談する
マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺の被害に遭われた方は、弁護士への相談が最もおすすめです。
SNSやマッチングアプリの情報開示請求を行えるだけでなく、犯人に対して返金請求も可能です。
何でも屋に比べて料金は高めですが、法律業務を行える弁護士を使えば、事件の完全解決を目指せます。
以下の項目に当てはまる方は、弁護士に相談されてはいかがでしょうか。
- 多少の出費は仕方がない
- 騙されたお金を取り返したい
- 返金される可能性を少しでも高めたい
また、無料相談が可能な法律事務所が点在している点も、弁護士を利用するメリットの1つです。
無料相談で返金請求ができるか確認し、行える場合は調査費用をかけて弁護士に依頼しましょう。
マッチングアプリで仮想通貨詐欺に遭う方は多い
今回は、マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺の特徴や手口、実例について解説しました。
仮想通貨詐欺は、年齢・性別を問わず被害者の数が増加しているため、常に警戒する必要があります。
マッチングアプリで知り合ったばかりの人から、ほかのSNSへの誘導や投資話を持ちかけられたとしても、絶対に参加しないようにしましょう。
仮想通貨詐欺の被害に遭ってしまい、詐欺師への返金請求や調査を希望している方は、以下の法律事務所に早めの相談をおすすめします。