ワンクリック詐欺は、法律的に支払い義務が発生しないため、無視しても問題ありません。
しかし、無視してもいい理由やサイトの特徴を知らなければ、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、無視しても大丈夫なワンクリック詐欺の特徴や理由について解説します。
無視以外のワンクリック詐欺の対処法も解説するので、実際に被害に遭われた方もぜひ参考にしてください。
ワンクリック詐欺は無視で大丈夫
ワンクリック詐欺は、以下4つの法律的根拠から無視しても問題ありません。
- 契約要件を満たしていない
- 違法なやり方で契約させている
- 特定商取引法に違反している
- 契約の確認画面がない
法律的根拠を知り、被害に遭った際も冷静に対応しましょう。
契約要件を満たしていない
ワンクリック詐欺は、申し込む側と承諾する側の意思表示の合致を満たしていないため、契約要件を満たしていません。
法律用語で意思表示とは、「〜を期待して〜をしたい!」という意思をはっきり外に示すことを指します。
ワンクリック詐欺の場合、再生ボタンやリンク付きボタンを押しただけなので、「有料会員に登録する」という意思表示をしているとは認められません。
違法なやり方で契約させている
ワンクリック詐欺は、有料サービスであるとわかりづらく表記しているため、「錯誤による契約」として無効を主張できます。
法律用語で「錯誤」とは、意思表示の内容と実際の結果が違うことです。
例えば、有料サービスと知らず会員登録を押して支払い請求がされた場合、契約を無効にできます。
特定商取引法に違反している
特定商取引法とは、インターネット通販やウェブサービスを提供する側に、料金やサービス内容を表示する義務があると定めている法律のことです。
ワンクリック詐欺は、料金やサービス内容を表記せずに金銭を要求しているため、特定商取引法に違反しています。
また、料金やサービス内容を表記している場合でも、有料会員に加入するボタンをわかりやすく設定する義務もあります。
契約の確認画面がない
インターネット上で有料商品の契約をする場合、本当に購入するか確認する義務があります。
確認画面の表示は、電子消費者契約法で定められており、違反した契約は無効となります。
ワンクリック詐欺は、確認画面を表示せずに突然契約を結ばせるものなので、法律上支払い義務は発生しません。
無視しても大丈夫なワンクリック詐欺の特徴
無視しても大丈夫なワンクリック詐欺の特徴は、以下5つです。
- 一方的に契約が成立する
- 個人情報を入力せずに登録が完了する
- 振り込み期限が数日以内に設定されている
- エンタメや成人向けサイトに多い
- 脅し文句が表示される
これらの特徴に当てはまるワンクリック詐欺は、法律的に支払い義務が生じないため、無視しても大丈夫です。
一方的に契約が成立する
一方的に契約が成立するワンクリック詐欺は、契約要件を満たしていないため、無視しても問題ありません。
動画の視聴ボタンやリンク付きボタンをタップした際に表示されるケースが多く、焦ってしまう方も多いです。
「契約完了」と表示された方は、電話やメールで問い合わせをせず、すぐに画面を閉じるようにしましょう。
個人情報を入力せずに登録が完了する
個人情報を入力せず登録が完了するタイプのワンクリック詐欺も、無視しても大丈夫です。
サイトの端や1番下に「クリックしたら契約とみなします」と表示されているケースが多いですが、法律的に支払い義務はありません。
仮に、「取得した情報をネットにばら撒くぞ!」と脅されたとしても、クリックだけで情報を取得するのは不可能です。
サイトに表記されている内容は鵜呑みにせず、すぐに画面を閉じましょう。
振り込み期限が数日以内に設定されている
無視しても大丈夫なワンクリック詐欺の特徴として、振り込み期限が数日以内に設定されているケースが挙げられます。
多くのワンクリック詐欺サイトでは、振り込み期限まで秒単位で減っていく方式を採用しています。
しかし、実際に振り込み期限に到達しても実害はないため、無視しても問題ありません。
ワンクリック詐欺サイトは、巧妙な手口を利用して被害者を騙そうと考えて作られています。
エンタメや成人向けサイトに多い
ワンクリック詐欺は、エンタメや成人向けサイトに多く張り巡らされています。
特に、成人向けサイトに仕掛けられているケースが多く、動画再生ボタンを押すと起動する仕組みです。
また、動画のサムネイルもクリックしたくなるように設計されている点も悪質です。
被害者の心理状況を利用し、あらゆる手段を使って騙そうとしてくるので、常に警戒しておきましょう。
脅し文句が表示される
ワンクリック詐欺は、「支払いに応じない場合法的処置を取らせていただきます」といった、脅し文句が表示されるケースが多いです。
しかし、実際は法的処置を取ることはできず、相手が違法行為と認定されて処罰される可能性が高いです。
脅し文句を見ても動揺せず、冷静に対処しましょう。
無視以外のワンクリック詐欺の対処法
ワンクリック詐欺を無視せず支払いに応じてしまった方は、以下3つの相談先に連絡しましょう。
- 消費者生活センター
- 都道府県警サイバー犯罪窓口
- 弁護士
相談先を知っておくと、被害に遭った際も冷静に対処可能です。
消費者生活センターに相談する
ワンクリック詐欺に遭い、実害を受けてしまった方は、消費者生活センターへの相談がおすすめです。
消費者生活センターでは、消費者問題に関する相談を受け付けているため、具体的な対処法を教えてもらえます。
消費者ホットラインの電話番号は188となっており、音声ガイダンスの指示に従うと最寄りの消費生活センターに繋がる仕組みです。
ただし、消費者生活センターへの相談は無料ですが、詐欺師に対して捜査や返金請求は行えません。
捜査や返金請求を行いたい方は、次の項目で紹介する都道府県警察サイバー犯罪窓口や弁護士に相談しましょう。
都道府県警察サイバー犯罪窓口に相談する
執拗な電話やメール被害にうんざりしている方は、警察への相談がおすすめです。
各都道府県の警察署では、ワンクリック詐欺や恋愛詐欺といった、サイバー犯罪を専門に扱う窓口が設置されています。
電話番号はお住まいの都道府県によって異なるため、都道府県警察サイバー犯罪窓口のURLから確認しましょう。
ただし、警察は民事不介入なので、金銭的被害の回復が難しいという点は注意する必要があります。
詐欺師に返金請求を行いたい方は、弁護士への相談がおすすめです。
弁護士に相談する
ワンクリック詐欺に遭い、金銭的被害を受けた方は弁護士への相談がおすすめです。
弁護士は法律業務を行えるため、ワンクリック詐欺業者に対して返金請求が可能です。
以下の項目に当てはまる方は、弁護士に相談してみましょう。
- 多少のコストは許容範囲内
- 返金される可能性を少しでも高めたい
- サイト閉鎖だけでなく返金もして欲しい
弁護士はWebサイトに対して情報開示請求も行えるため、警察では捜査できない範囲も調査可能です。
まずは、無料相談が可能な法律事務所に連絡し、返金や情報開示請求が可能かどうかを確認してみましょう。
ワンクリック詐欺の対処法は無視がおすすめ
今回は、無視しても大丈夫なワンクリック詐欺の特徴や理由、無視以外の対処法について解説しました。
ワンクリック詐欺は、基本的に無視しておけば実害はないため、素人の方でも知っておくだけで対処可能です。
今回ご紹介した内容を頭の片隅に置いておき、ワンクリック詐欺が表示されても冷静に対処しましょう。
金銭・個人情報流出の被害に遭ってしまい、詐欺師への返金請求や捜査を希望している方は、以下の法律事務所に早めの相談をおすすめします。